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アフリカでの覇権争い、中国の一帯一路構想に迎撃態勢を取るアメリカ

中国とアメリカのアフリカでの覇権争い アルジェリア
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一帯一路構想によって世界各地への影響力強化を図る中国に対して、アメリカが迎撃の構えを見せているようです。

発展途上国が多いアフリカでの両国の争いは激しいようで、中国がインフラ投資を積極的に行っていることに対して、アメリカ政府は投資機構の投資上限額を2倍に引き上げて、従来以上の投資をアフリカに行うことが明らかになっています。

気になる海外ニュースまとめ、今回はアフリカを巡る中国とアメリカの投資競争についてまとめます。

アメリカが投資機構の上限額を2倍に引き上げ

ブルームバーグの報道によると、アメリカの投資機構OPICの投資上限をこれまでの290億円から600億円に引き上げる改正案が議会で承認されました。これはアフリカへの投資を強める中国に対抗するための措置だそうです。

Bloomberg - Are you a robot?
OPICとは、正式名称が「Overseas Private Investment Corporation」で、日本語では「海外個人投資会社」と訳されます。1971年に設立さた半官半民の機構で、発展途上国に対する民間企業の設備投資を奨励するために、事業ローン貸し付けなどを業務としています。

OPICの投資に占めるアフリカの割合は高く、現在のところ62億ドル程度が充てられていますが、今回の投資上限の引き上げによってさらにアフリカへの投資額が引き上げられます。

記事によると、アメリカの投資分野は主に健康、農業、浄水設備などに向けられており、インフラへの積極投資を進める中国とは性格が異なるようです。

コートジボワールのアビジャン自治港

中国のアフリカにおけるインフラ投資の例として有名なのが、コートジボワール最大の都市アビジャンにあるアビジャン自治港の第二ターミナル建設プロジェクトです。

https://www.plataformamedia.com/en-uk/news/business/interior/china-turns-the-abidjan-port-into-the-largest-of-west-africa-10753398.html

コートジボワールという国名は、そのまま日本語に訳すと「象牙海岸」になります。大航海時代の15世紀ごろからアフリカ大陸の西海岸を代表する港があり、象牙や奴隷などが運び出される場所でした。

こんなコートジボワールのアビジャン自治港に対して、中国は16億7000万ユーロ(約18億6000万ドル)を投資しています。アビジャンと競合するモロッコのタンジェ港や、南アフリカのダーバン港を上回るコンテナ処理能力を有する港が、今年2019年にも完成する予定です。

アルジェリアには巨大モスク建設

港湾や飛行場などのインフラ投資だけではなく、アルジェリアでは中国が巨大モスクを建設しています。アルジェリアはアフリカ北部の地中海に面する国ですが、国民の99%以上がイスラム教徒というイスラム国家です。

Africa’s largest mosque has been completed with thanks to China
The Great Mosque is a new feat for the China State Construction Engineering Corporation

このモスクは「グランドモスク・アルジェリア( Djamaa El Djazair)」という名称で、敷地面積が40万平方メートル、ミナレットの高さが265メートルという巨大なモスクです。最大12万人の礼拝者の収容が可能で、地下に設けられた駐車場は7000台が駐車可能、その他にもコーラン学校や図書館、レストラン、円形劇場、研究センターなどを備えています。

敷地面積ではサウジアラビアのメッカとメディナに次ぐ3番目の大きさで、ミナレットの高さではモロッコのカサブランカにあるハッサン2世モスクを抜いて世界一です。

ミナレットとは、イスラム教のモスクに建てられる塔で、アザーンという礼拝を呼び掛ける放送が行われます。キリスト教の教会における鐘のようなものですが、アザーンは呼びかけ人の声がそのまま流れます。

エチオピアの首都アジスアベバのライトレールは開業済み

最後は、やはり中国のインフラ事業なんですが、エチオピアの首都アジスアベバでは運行距離34キロのライトレール(鉄道)が開業して好評のようです。

Chinese-built Ethiopia light rail transports more than 29 mln people in 9 months - People's Daily Online
Local residents walk on the platform of a light rail station in Addis Ababa, Ethiopia, Sept. 20

エチオピア交通省の発表によると、開業後の9カ月間で2900万人以上の利用者がありました。乗客による収入は300万ドルだったそうです。アジスアベバの交通渋滞が改善されると共に、このライトレールの開業によって新たに生まれた雇用は1万3000件に上ったことも報告されています。

このアジスアベバ・ライトレールの建設資金は総額4億7500万ドルで、このうち85%を中国輸出入銀行が拠出しています。なお、鉄道の建設および運営はどちらも中国企業です。

ライトレールとは、高架鉄道や地下鉄のような大規模工事を行わずに建設される鉄道で、列車のみが走行する専用軌道だけではなく一部の区間では車道を利用したりする1両から数両編成の都市内鉄道のことです。

2019年4月に行われた一帯一路サミットでは、中国政府が開発途上国を借金漬けにしているという指摘に対する習近平主席による反論などが見られましたが、今後もアフリカを始めとした世界各地でアメリカと中国による投資競争が見られそうです。