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オデッサ旅行者が必ず訪れるポチョムキンの階段をご紹介します。
黒海に面する港町オデッサの海の玄関口として船乗りたちを迎え入れてきた大きな階段は、ロシア映画『戦艦ポチョムキン』のメインシーンの撮影の舞台として有名ですが、現在でも地元の人たちが日常的に利用している市街と港を結ぶ階段です。
この記事にはストーリーズ版「オデッサの階段」もあります。
映画史上最も有名な6分間と評される階段シーン
1925年に制作されたロシアのサイレント映画『戦艦ポチョムキン』の後半で、ポチョムキンの階段が登場します。元々は「巨大な階段」などと呼ばれていたそうなのですが、この映画の階段シーンが有名になりすぎて通称として「ポチョムキンの階段」と呼ばれています。
Youtubeに日本語字幕のものがアップロードされています。
ポチョムキンの階段が登場するのは48分45秒からです。乳母車が落ちていくシーンがこの6分間の階段シーンの中でも最も有名なのだそうです。ちなみに、あくまで階段はロケ地であって、実際にはこの場所でこのような事件は起こっていないです。
ポチョムキンの階段の全体像
1841年に完成し、1933年に大規模な改修が行われたポチョムキンの階段は、現在は192段、踊り場が10か所あります。改修前は現在より8段多かったとのこと。
また、左側の樹々の間にレールのようなものが見えるのがケーブルカーです。一時はエスカレーターが設置されていたそうなのですが、現在はケーブルカーです。
ポチョムキンの階段の上には「リシュリュー公の像」
一般的には「リシュリュー公の像」と呼ばれていますが、正確には「第5代リシュリュー公の像」で、第5代リシュリュー公の名前はめっちゃ長くて「アルマン・エマニュエル・ソフィー・セプティマニー・ド・ヴィニュロー・デュ・プレシ」と言い、初代オデッサ知事です。
かのアレクサンドル1世から1803年に知事に任命されています。
リシュリュー公の像があるポチョムキンの階段の上の部分は、ちょっとした広場になっていて、たまにイベントが行われているようです。オデッサでは頻繁に見かけるミニバンの移動式コーヒー屋さんも数店、この広場で営業しています。
ポチョムキンの階段の先には黒海が広がる
モヤっているので分かりづらいですが、ポチョムキンの階段からは黒海と港湾施設が見えます。映画の撮影当時は、階段が海岸に直結していたようですが、現在では階段の下にバスの通る道路があり、その先にはホテルオデッサの建っている大きな桟橋が作られています。
錯視効果が使われたポチョムキンの階段
いまいち良く分からなかったのですが、ポチョムキンの階段には「錯視」という効果が使用されているらしく、上から見下ろすと階段が短く見え、見上げると階段が長く見えるような設計になっているそうです。
階段全体がスカートのように裾が広がる形状になっていて、最上段では1つのステップが幅員12.5メートルで、最下段では21.7メートルなのだとか。9メートルって結構な違いですけど、メジャーを持って行って測ってみないと本当なのかどうか疑わしいほどに、その違いを感じることがありませんでした。
ポチョムキンの階段のケーブルカー
ポチョムキンの階段には、階段に沿って乗降するケーブルカーがあります。
意外と地元の人たちが普段使いしている階段なのですが、お年を召した方々には昇り降りが辛い階段でもあります。なので、1906年からケーブルカーが設置されており、1970年代にエスカレーターになりましたが故障したため、2004年に改めてケーブルカーが新設されたそうです。
ポチョムキンの階段のケーブルカーの乗り方
ポチョムキンの階段の隣にケーブルカー乗り場があります。階段を上るだけなのに何だか大袈裟な建物ですが、ここからケーブルカーに乗ることが出来ます。
チケット売り場などは特に無いので、そのままケーブルカーに乗り込みます。
ケーブルカーの内部にはケーブルカーガールが座っていて、ここで乗車チケットを購入します。チケット価格は、片道5フリヴニャです。ちなみに、ケーブルカーガールは座っていますが、乗客のための椅子などはありませんので立ったままです。
ケーブルカーはゆっくりと動き始めます。徐々にスピードを上げるのかと思ったら最後までゆっくりのペースのままで上まで到着しました。
あと、ケーブルカーから階段を眺めたら、めっちゃ辛そうな顔をして階段を登っているオッサンとかが居たら満足度が高かったのですが、なぜか階段に人は皆無でした。
ポチョムキンの階段まとめ
オデッサでは随一の観光スポットですので、どうしても階段が嫌いだという人以外は必ず訪れるべきだと思います。
階段は現在でも地元の人たちに利用されていて、ポチョムキンの階段の下にあるバス停では多くの人たちが乗り降りしています。
ただ、映画のなかでは海岸に直結しているように見えるオデッサの階段は現在、随分と海岸の様子が変わっているために、映画のなかのような雰囲気ではありません。